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エビデンスに基づく治療

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現在、一般診療において生活習慣病を含め、エビデンスに基づく治療(EBM)が優先されている。糖尿病、脂質異常症、高血圧に関するEBMの報告は世界中から数多く出されている。

耐糖能異常(IGT)は、2型糖尿病を発症させる重要な危険因子であり、このIGTから糖尿病への発症予防として、積極的な生活習慣の改善が有効であることは近年のDPS(2001),DPP(2002)で立証されている。特にDPPの結果では、メトホルミン投与による発症予防効果よりも、生活改善のほうがより大きな効果を示し、生活改善のあり方が如何に大切であるかが問われた。

薬剤投与による発症予防効果として、α-グルコシダーゼ阻害剤を用いたSTOP-NIDDM(2002)や、肥満を対象としたリパーゼ阻害剤と生活改善を併用したXENDOS(2002)などがありその有効性が認められている。

肥満の2型糖尿病患者において、強化減量プログラムによる心血管イベントの長期抑制効果を検討するLook AHEADや、患者教育の長期生活習慣介入によって血糖コントロールや合併症の発症・進展が抑制されるかどうかを検討する日本のJDCSも進行中である。この試験は追跡期間が10年以上を予定しているが、開始3年後のJDCSの中間報告(2003)では、介入群は非介入群に比べて有意なHbA1Cの改善が得られている。

JDCSの2004年のメタボリックシンドロームに関する知見によると、2型糖尿病患者において慢性心不全および脳卒中イベントの発現頻度が非糖尿病患者の3倍以上であることが明らかにされている。性別、LDL、HbA1CとTGは慢性心不全の、収縮期血圧とHbA1Cは脳卒中に対するリスク因子であることが判明した。

これらの結果から、日本の2型糖尿病患者において、血糖管理とともにLDLと血圧などのリスク管理が重要であり、慢性心不全と脳卒中を予防するための不可欠要素であると考えられている。

UKPDS38(1998)では、高血圧を伴う2型糖尿病患者において厳格な降圧治療を行うことにより大血管障害のみならず細小血管障害のリスクも低下したことが認められた。この有意義な結果から、糖尿病患者における合併症の発症・進展予防には血糖コントロールの改善ばかりでなく、同時に血圧コントロールも重要であることが示された。

CARDS(2004)では、冠動脈疾患の既往がなく、LDLも高くない2型糖尿病患者において、アトルバスタチンの投与により脳血管イベントの発症リスクが低下し、それが有効かつ安全であることが示された。また、PPP(2003)では心血管疾患のリスク因子を1つ以上有する患者における検討では、低用量アスピリン投与により非糖尿病患者では心血管イベントの有意な1次予防効果が認められた。

ところで、最近、2型糖尿病の治療にかかわる費用対効果に関する研究報告がされている。

7種の合併症の治療にかかる短期・長期コストを多変量回帰モデルを作成し見積もったUKPDS65(2003)では、初回発症にかかる費用は、四肢切断(約170万円)、非致死的心筋梗塞(約82万円)、致死的脳卒中(約68万円)、非致死的脳卒中(約48万円)、心疾患(約45万円)、虚血性心疾患(約40万円)の順であり、入院患者の2回目以降の合併症発症にかかる費用は心疾患で約13万円(年平均)と算出されている。※表示金額は税別。

さらに、UKPDS68(2004)では、2型糖尿病患者における7種の合併症の発症率及び死亡率をquality-adjusted life years法で算出し、通常療法(主に食事療法)の患者延命値は16.35で、強化療法患者では延命値は16.62とより長いと報告している。

また、UKPDS63(2002)では、通常療法(主に食事療法)に比べ、ACEIやβ遮断薬の使用による強化療法のほうが合併症の発症率を軽減し、合併症までの期間も延長することが認められ、費用対効果に優れていることが示された。

以上の研究報告からは、生活習慣の改善はもとより薬物療法を含めて生活習慣病・その関連疾患の積極的かつ早期の改善が予後を改善し費用対効果に優れているということである。

予防を重視しすぎた結果、生活習慣病に対する治療が遅れると医療費は増大することを意味する。

南アフリカのケープタウンで2006年12月に開催された第19回国際糖尿病連合(IDF)会議で、2型糖尿病の増加は途上国でも急速に増え、南米では糖尿病の有病率が2倍になり、アフリカでは80%増加し、インドでは56%増加すると予想されている。

その結果、世界の糖尿病の有病数が20年前は約3,000万人だったが、2025年までに3億8,000万人に増え有病率は成人の7%に及び、うち3億人が発展途上国で占められるだろうと発表された。

そして、1年間に約380万人が糖尿病、糖尿病合併症のため死亡し、いまやエイズに並び21世紀の全世界的な課題となっている。

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